「サ〜ンサ〜ンサ〜〜ントセ、
オササノサ〜〜ントセ!
ヨイヨイヨ〜イ!」
この日私たちは、ある撮影で最高の特等席から
カメラをまわしていました。
夏の暑さが秋風と交ざり合う頃、このお祭りは
やってきます。
花輪ばやし――。
毎年8月19日・20日に鹿角市花輪で行われる
昨年(2014年)、国重要無形民俗文化財に指定された
屋台行事です。
初日のこの日、駅前広場のロータリー真ん中で
絢爛豪華の世界を堪能することができました。
一番の見せ場となる駅前行事。10もの個性あふれる
腰抜け屋台が、太鼓・笛・太棹三味線そして鉦を奏で、
この場所へと練り歩いてきます。
太棹三味線が使われる屋台祭りのお囃子は、
全国でも他に類を見ないとされています。
現在伝承されている曲は、
平安末期に都から来た貴人の笛の曲に
鉦・太鼓・三味線が付いたと言われるものや
江戸時代の創作とされています。
私の周りの人が口を揃えて言うことがあります。
「体が勝手に動く――。」っっわかる!
また、この日は天候にも恵まれ今年も県内外から
たくさんのお客さまが来てくださいました。
これはほんのごく一部。
見えますか?宿泊施設から見物する方も。
最高のロケーションです。
絶えず聞こえるお囃子にノリノリの下半身とおぼつかない手。
写真を撮るのは至難の業でした。
屋台では小学生から中高生、
そして若者からベテラン勢すべての魂がぶつかり合っていました。
その笑顔は提灯と相まってとても眩しく、
受継がれる伝統の美しさを教えてくれます。
「サ〜ンサ〜ンサ〜〜ントセ、
オササノサ〜〜ントセ!
ヨイヨイヨ〜イ!」
駅前行事の最後のサンサ。
全て並んだ屋台と、集う人たち。
それは、写真では伝えられない程きれいな、
和の幻想風景でした。
(ロケーションかづの理事・U)